TOBプロジェクト

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新規プロジェクト・関連事業紹介

TOBプロジェクト

チームワークで成功させたTOB案件

プロジェクトの概要

業界準大手で東証一部に上場していた株式会社メディカルシステムネットワーク(以下「メディシス社」という。本店 北海道札幌市)による、中堅でJASDAQに上場していた株式会社トータル・メディカルサービス(以下「TMS社」という。本店 福岡県糟屋郡)をTOB(株式公開買付)により統合していく案件を主導。当社初のTOB案件。
※各個人の役職は当時になります

プロジェクトの成果

日本の公開買い付け事例で史上最高のプレミアム率(グループ再編事例を除く)となる公開買い付け価格を達成(終値1049円に対してプレミアム率205%となる)

約1ヶ月半の公開買い付け期間で98.96%の株式を取得

2013年9月27日のTOB実施を対外公表から予定のスケジュールを1日もずらさず2014年2月28日に完全子会社化を完了。TOBで約4か月間というのは異例のスピード。

譲渡案件の提案からTOB案件へ
譲渡案件の提案からTOB案件へ

譲渡案件の提案から
TOB案件へ

瀬谷祐介(業界再編部 ディールマネージャー) :最初は買い手としてTMS社へ譲渡企業の提案に行きました。半年後くらいに「折り入って話がある」とのことで福岡へ訪問したところ「譲渡したい」とのご相談を受けたのです。私たち業界再編部は調剤薬局業界のM&Aを得意としていましたから、即座に「お手伝いしたい」とお伝えしました。そのあとアドバイザーとして選定していただくために、どういうM&Aになるようにプロデュースしたら社長の意向と会社の成長を最大化できるか社内で議論しました。

渡部恒郎(業界再編部 副部長) :以前からTMS社には、証券会社など多くのM&Aプレーヤーから「M&Aで会社を譲渡しないか」と声がかかっていたそうです。ただ、業界に対する専門性が高く、M&Aのシナジーを考えて提案できるアドバイザー候補は、それまでいなかったとのこと。当社における業界の専門性、分析力、提案力など総合的に判断していただき、当社をアドバイザーとして選定いただくことができました。

西川大介(企業戦略部 上席課長) :私は譲受け企業の担当としてプロジェクトチームに入りました。譲渡企業のTMS社は渡部と瀬谷が、譲受け企業のメディシス社は私と臼井が、それぞれ窓口として担当させていただくことになりました。加えて公認会計士である門野を中心にその他の専門家がスキーム構築や手続きをサポートしました。
調剤薬局には業界特有の事情があるので、経営者の意思決定にどのような情報が必要か熟知している業界再編部の情報収集力は大きかったです。
本件は、専門家を含めて譲渡側、譲受け側全部で80名ほどのメンバーが動く大きなプロジェクトとなり、その全体統括管理を経験豊富な臼井が行いました。

臼井智(企業戦略部 担当部長) :当社の扱う案件では、上場企業が譲受側で未上場企業が譲渡側というケースが多く、上場企業が譲渡側となるTOB案件は当社にとって初めてでした。私と西川は前職の証券会社時代にTOB案件を多数扱っていたので、その経験を活かしプロジェクトを統括させていただきました。

チームワークで成功させた「サンタプロジェクト」
チームワークで成功させた「サンタプロジェクト」

チームワークで成功させた
「サンタプロジェクト」

西川 :当社では、全案件情報はすべての社員に共有されるのが基本ですが、TOB案件は社内非公開で進められます。こうした場合プロジェクト名が必要になるのですが、時期的におそらく年末までに終えられるだろうというスケジュールだったので「成功させ、両社へのクリスマスプレゼントにしよう!」という思いを込めて、「サンタプロジェクト」と名づけました。
結果、契約書の締結、意見書の提出、対外公表、記者会見など、目標のスケジュールから逆算してタスクを整理し、その通りに進めることができました。

門野公造(経営企画室 課長) :TOBでは、譲渡企業の経営者は、会社の代表であり、大勢いる株主の代表。個人の見解だけで譲渡する株価は決められず、また、株価が少し変われば全体で何千万円、何億円と影響も大きくなります。最終的な株価調整は議論が白熱しましたが、最終的には双方にご満足いただけることとなりました。

渡部 :連日資料作成する中では、体力的にはキツい部分もありました。でも、状況をコントロールできていたことや「これが世に出たら業界中にインパクトを与えられる」ことも予想できていたので、待ち遠しかったですね。最初に「相談がある」と福岡で話を聞いたあと、このメンバーで昼食を取ったのですが、そのとき「こんな風になったらいいよね」と話した通りの結果になりましたから。TOBの経験はなくても、当社は上場している調剤薬局のほぼすべてのM&A仲介を行った実績があったので、ノウハウや知見があったことは大きかったと思います。

瀬谷 :私は入社1年目でこのプロジェクトに参加したのですが、当社の社員の実行力のすごさを肌で感じました。毎日新しい学びがあり、とても刺激的でしたね。1年目でこのようなプロジェクトに入れるのは、当社の風通しの良さのおかげだと感謝しています。自分自身、大きく成長する機会になりました。

チームの化学反応で個々の総和以上の力を発揮
チームの化学反応で個々の総和以上の力を発揮

チームの化学反応で
個々の総和以上の力を発揮

臼井 :当成功の鍵は、チームワーク。このチームは、前職で経験してきたチームに比べれば、かなり少人数です。しかし、全員に役割が明確にあり、「自分がいなければ前に進まない」という環境で、それを各自が理解し自発的に動いていました。全員が自分の得意なこと、やりたいことに集中し、お互いの化学反応によって実力の総和以上の力をチームとして出せたのではないかと思います。
もちろん、M&A当事者である両社の「地域医療をより良いものにしたい」という共通の思いに対する「共感」がチームの根底にあったことが原動力になったのは明らかです。

渡部 :このプロジェクト以降、私が率いる業界再編部における調剤業界チームだけでなく、IT業界や人材業界のチームもできて、会社としての方向性や戦略に少なからず影響を与えたと思います。 門野 :公認会計士として、一度はTOB案件をやってみたいという思いがありました。一部のM&Aファームでは公認会計士ばかりでTOBに取り組むところもあるようですが、当社のようにさまざまなバックボーンや経験を持つ人が集まって、化学反応を起こしながら大きな仕事を進めていけるのは、楽しかったですね。サポートのしがいもありました。

西川:最近は大きな案件が増えてきて、一人ですべてをやるのではなく、チームとして取り組むことも増えてきました。このチームでそうだったように、当社内のどのメンバーと一緒にやっても、必ずさまざまな化学反応が起こると思います。当社はそういった素質やスキルを持っている社員ばかりです。次にどんなメンバーでどんな化学反応を起こせるか、毎回楽しみです。