先輩社員紹介
尾島 悠介
Nihon M&A Center Malaysia Sdn. Bhd.
入社年:2016年 入社時の年齢:28歳
経営者と直接対峙する仕事
新卒で入社した商社では、国内外の工場やプラント向けに大型の機械や設備を販売し、生産ライン・システムを最適に稼動させるためのソリューション提案を行っていました。インドネシアでの3年間の駐在経験を通じて、ASEANの成長の可能性を実感するとともに、日系企業がASEANでさらに発展していくためには、現地企業との提携等によってさらに強固な関係を築くことが不可欠だと感じるようになりました。経営者と直接対峙し、会社レベルで組織を変えることのできるM&A業務に魅力を感じ、日本M&Aセンターの海外支援室(現海外事業部)で働くことを決めました。
入社後、いきなり海外案件に挑戦
日本の中小企業M&A支援に特化してきた当社にとって、当時の海外支援室は社内ベンチャーのような位置づけで、ちょうど私が入社した2016年に初の海外拠点であるシンガポール・オフィスが設立されました。
入社1年目は日本を拠点に出張ベースで、シンガポールを中心にマレーシアやタイ、フィリピンの譲渡案件の発掘を行い、社内の買い手担当部署の協力のもと、日本の買い手候補企業を探します。M&A業務未経験ながら、いきなり難度の高い海外案件を担当することについてまったく不安がなかったわけではありませんが、幸いにも当社には経験豊富な先輩方や、公認会計士・弁護士などの専門家が多数います。人に頼ることも大事だと考え、先輩に徹底的に教えていただいたり、何度も質問して理解することで、ノウハウを吸収していきました。
ASEANの国々も
後継者不在問題が深刻
実はASEANの国々は日本と同様に、中小企業経営者の後継者不在問題が深刻です。にもかかわらず当社のように中小企業に特化したサービスを手掛ける組織はほとんどないのが現状です。大企業のM&Aを支援する投資銀行やメガバンクは多いですが、中小企業となると、そもそもM&Aというソリューションがあることを知らない経営者が大半なのです。ですから、現地の会計事務所や金融機関、コンサルティング会社と提携し、セミナーや同行訪問を通して売り手を紹介してもらい、当社がマッチング・エクゼキュ―ションをして成約を支援します。
立ちはだかる法律や言語、商習慣、
文化の壁。日本での独自ノウハウが活きる
海外だと、日本に比べてM&Aをする上で大変なことがたくさんあるのは事実です。同じアジアといえども、国によって法律や言語はもちろんのこと、商習慣や文化も異なるため、案件のソーシング方法、案件化、企業評価、エグゼキューション等、ゼロからの設計が必要で時間がかかります。そのうえ日本での常識や日本人特有の“暗黙の了解”はまったく通用しません。ですから交渉の際は、論理的な説明と事前のシナリオ設定・台本の作りこみが欠かせません。また、交渉はもちろん英語ですが、東南アジアでは中国語しか話されない華僑系のオーナーも多いため、要所で当社の現地スタッフに中国語で交渉をお願いすることもあります。
とはいえ、現地に拠点を構え、日本で30年以上やってきた当社独自の成功ノウハウをそのまま展開することが可能なので、当社の優位性は極めて高いといえます。
私たちにとっては
子供のように大切な会社。
相手を見つけてくれてありがとう
「私たちにとっては子供のように大切な会社ですが、自分たちだけで経営し続け、会社を今後も成長させていくには規模が大きくなりすぎてしまいました。相手企業を見つけてくれて本当にありがとう」。ある案件のM&A成約後の譲渡オーナーのコメントです。印象的なのが、国は違えど中小企業のオーナーは会社を子供、従業員は家族と思っており、非常に日本のそれと近い考えです。このような気持ちに寄り添いながら、譲受企業である日本企業が明確な協業イメージやシナジーを対象会社に共有することで、M&Aのプロセスもスムーズに進行でき、何よりM&A後のPMIも順調に進むケースを多くみてきました。海外M&Aではありますが、根本は日本でのM&Aと変わらず、お互いがWin-Winの関係で共に存続と発展に貢献するのが我々の使命だと思っています。
世界トップのクロスボーダー
M&Aチームを目指して
2016年にはたった4人だった海外事業部も、今ではASEAN5か国に展開し現地メンバーも含め約50名のチームになりました。日本企業によるASEAN企業のM&A成約実績も積み上がり、業界では初となる中堅・中小企業を対象とした、海外M&Aを解説する書籍『ASEAN M&A時代の幕開け 中堅・中小企業の成長戦略を描く』も出版いたしました。今後もアジアトップのクロスボーダーM&Aチームとなれるよう邁進していきます。
更にその後の世界展開を見据え、既に欧米進出の足掛かりを作り始めています。グローバルM&Aファームが加盟するアライアンスに当社も加盟し、日本とASEAN間だけではなく、日本と欧米、ASEANと欧米間のクロスボーダーM&Aにも取り組んでいます。今は出張ベースですが、数年後にはヨーロッパにも進出し、私たちが中堅中小企業のクロスボーダーM&Aのデファクトスタンダードを作っていきます。
プレーヤー兼マネジャーとして、
自分の能力と価値が高まっていく実感
海外事業部の仕事は、日々の業務が濃密かつ刺激的で、極めて短期間に自分の能力と価値が高まっていくことを実感できる仕事です。M&Aには同じような案件は2つとありません。ましてや海外となると、常に新鮮で刺激があり、完成されていない市場でパイオニアとして成果をあげることができます。
また、プレーヤーとしてのアドバイザリー業務と並行して、2017年からシンガポール駐在時にはナンバー2として拠点の立上げを担い、ある程度立ち上がった段階で2020年からトップとしてマレーシア拠点の立上げ、事業拡大を担ってきました。ゼロから立ち上げたマレーシア法人も現在は10名の規模になりましたが、Managing Directorとして会社設立から資金繰り、会計・税務、マーケティング、ネットワーク開発、採用、教育等、経営全般も担うため、非常にやりがいのある仕事です。
M&A仲介会社も複数が上場する時代になり、国内のM&Aをハンドリングできる人材は増えてきました。よってこれからは、単にM&A仲介実務ができるだけでなく、得意分野を作ることも必要だと思います。
上場しているM&A仲介会社で海外5ヶ国に拠点を持ち、海外案件に携われる専任部署があるのは当社だけです。まだまだ立ち上げ途中ですので、「誰もやっていない仕事がしたい」という開拓者精神のある人とともに仕事がしたいと思っています。