TPM事業部

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新規プロジェクト・関連事業紹介

TPM事業部

東京プロマーケットへの上場を支援

プロジェクトの概要

地方創生のためには、地域で輝く「スター企業」の存在が欠かせません。そこで、日本M&Aセンターは2019年7月、TOKYO PRO Marketの上場指導・審査等を担うJ-Adviserの資格を取得、社内にTOKYO PRO Market(TPM)事業部を立ち上げました。M&Aとともに「上場」を成長戦略の選択肢として提案し、中堅・中小企業の上場、そして、その後の成長をサポートしています。

 

横田 賢一
(日本M&Aセンター TPM事業部 上場推進部)
荒木 賢治
(日本M&Aセンター TPM事業部 上場推進部)
五十嵐 麻里
(日本M&Aセンター TPM事業部 企画推進課)

上場のメリットを活かして、地方に「スター企業」を生み出す

上場のメリットを活かして、
地方に「スター企業」を生み出す

横田 :東京証券取引所(東証)には、東証一部・二部、マザーズ、JASDAQという誰もが参加できる一般市場のほかに、プロ投資家だけが参加できる「TOKYO PRO Market」という株式市場があります。2009年に設けられた新しい市場で、2021年8月末現在、49社が上場しています。プロ投資家だけが参加することを条件に、一般市場に比べて、上場しやすい仕組みになっているのが特徴です。それでいて一般市場と変わらぬ上場企業としてのメリットを享受できるため、近年注目を集めています。上場することで知名度・信用力は格段にアップしますし、人材採用にも有利になります。一方で、一般市場とは異なり、上場時の資金調達が必須ではないため、株主構成をほぼ変えることなく、オーナーシップを維持したまま上場のメリットを得られます。

TOKYO PRO Marketの特徴のひとつとして、東京以外の企業が市場の約7割を占めていることがあります。一般市場に上場している企業の多くは大都市圏に集中しており、このままだと「上場企業のない県」、「地元の金融機関しか上場していない県」が出てくる可能性もあります。その点、一般市場と比べるとハードルの低いTOKYO PRO Marketは、地方企業や中小企業にも開かれた市場と言えます。M&Aを通じて地方創生に取り組んでいる当社は2019年7月、TOKYO PRO Marketの上場指導・審査・モニタリングを担うJ-Adviserの資格を取得しました。地方から1社でも多くの上場企業を生み出し、地方を担う「スター企業」への成長をサポートしています。

荒木 :TOKYO PRO Market上場の大きなメリットとして認識いただくことが多いポイントとして、「個人保証(経営者の連帯保証)の解消」があげられます。中小企業の場合、数億円の運転資金をオーナー社長個人が保証人となって借り入れているケースが少なくありません。優秀な後継者がいたとしても、多額の借金とそれに伴う保証責任を継がせられないというケースが非常に多く、事業承継のハードルとなっています。しかし、「一人前の会社」になるという上場準備の過程において、これらの経営者保証は原則解消することとなっており、地方に行けばいくほど、事業承継の観点からTOKYO PRO Market上場を目指したいという声を多く聞きます。地方において上場企業は貴重であり、東証の「JPX」マークは大きな力を持っています。多くの人が勤めたいと思う「憧れの会社」になることもできます。とはいえ私自身、証券会社でIPO支援に携わっていたつい最近まで、TPM市場の特徴や魅力をまったく理解していませんでした…。

横田:私も同様の前職で「TPM…?」と思っていました。しかし今では、TOKYO PRO Marketは地方を盛り上げていく起爆剤となる可能性を秘めた市場だと自信を持ってアピールできます。

知名度アップするTPM。上場により採用もM&Aも有利に

知名度アップするTPM。
上場により採用もM&Aも有利に

五十嵐 :私はセミナー、メルマガ、Webなどを通じて、日本M&AセンターのTPMへの取り組みを発信し、TPMの認知度向上や上場支援のためのイベントの企画・運営に携わっています。とはいえ銀行から転職した当初はTPMについての知識はまったくなく、一から学んできました。入社したての頃は、まだTPMの知名度が低く、セミナーの集客も苦労しましたが、最近では、新聞等でTPMについて取り上げられる機会も増えたので、「(TPMの)名前は聞いたことあるよ」という方も増えてきています。Web経由でのお問合せ件数もかなり増えてきましたし、ここ数年で知名度が着実に上がっているのを実感しています。

横田 :日本M&Aセンターは2019年夏にTPM上場支援サービスをスタートして以来、すでに約70件の上場支援案件を手がけています。私自身も現在十数社の上場準備案件を担当しています。例えば今年3月に上場した、岡山県の案件には、営業担当として関わりました。もともと証券会社を通じて一般市場に上場する予定だったのですが、コロナ禍で先送りになっていた中、より早期に上場を実現できるTPMを選んでいただけました。昨年11月に契約し、4カ月後の翌年3月に上場。もともと上場準備を進めていたため、すでに社内体制は整っており、最短での上場を実現できました。来年の新卒採用が始まり、さっそく上場の効果が表れているようです。会社説明会への参加者は前年の5倍に増え、地元岡山の大学だけでなく、隣りの県の国立大の学生も説明会に参加したそうです。人材採用のみならず、対企業においても上場によって注目度が高まっており、色々な会社から声がかかるようになったことで、M&Aも進めやすくなったという効果もありました。

荒木 :TOKYO PRO Marketの知名度が上がってきたため、将来的に一般市場を目指している企業の中にも、まずは登竜門としてTPMに上場して箔をつけたいといった相談をいただくことも増えています。JASDAQやマザーズの下位市場としての扱いではなく、“エントリー市場”として明確な目的を持って利用しようという動きが顕著です。五十嵐さんの啓発の効果は絶大ですね!

横田 :現在、東京証券取引所は、最上位にある東証第一部に属する企業数が最も多く、第二部、新興市場、TPMと順に企業数が少なくなる逆ピラミッド型の構造になっています。上位市場へのステップアップを狙う企業が属する市場の方が、上場企業数は多いはず、と考えるのが一般的と思いますが、日本特有のこのような市場構造には東証自身も頭を抱えており、一般市場の上場区分再編をはじめとし、それ以外にもTPM上場社数を増加させるための誘致活動など、東証も積極的に活動しています。「まず最初に目指す市場はTPM」という状況にいずれなるかもしれません。

上場はゴールではない。その後の成長戦略をワンストップで担う

上場はゴールではない。
その後の成長戦略をワンストップで担う

五十嵐 :TPM上場をサポートするJ-Adviserは他にもありますが、当社には他にはない強みがあると思っています。例えば、当社は全国の金融機関・会計事務所などと連携し、幅広いネットワークを構築していますが、TPM上場を果たした企業に対しては、地域の金融機関や各種メディア等と一緒になって、上場企業のPR活動を積極的に行います。上場の暁には、地域の金融機関や自治体、メディアなどに呼びかけて祝賀会を開催する等、こうしたセレモニーの企画・運営も手掛けています。当社では役員陣も巻き込み全社一丸となってその会社をPRすることに重きを置いています。そして、「上場はゴールではない」という共通認識のもと、「どうやって人材を採用しましょう?」「取引先をどうやって増やしましょう?」「新規事業をどうやって生み出していきましょう?」といった具合に、一緒になって上場後の成長ストーリーを描いています。

荒木 :決して上場がゴールではありませんが、まずは多くのTPM上場企業を地方で誕生させることに注力したいですね。まだ価値が十分に知られていないのが現状ではありますが、かつてのM&Aもそうだったのではないでしょうか。少し前の日本では、M&Aにネガティブなイメージを抱く人が多かったようです。しかし、ある時、潮目が変わり、近年では企業の存続、成長のための手段として広く知られるようになりました。TOKYO PRO Marketについても、潮目が変わる時が近々くると思います。今後、TOKYO PRO Market市場からスター企業が続々と誕生すれば、地方を存続させる、地方を発展させる、もう一度日本を地方から活性化させることができるようになるのではないでしょうか。

横田 :J-AdviserはTPM上場後も企業に伴走する形でサポートしており、四半期開示・適時開示などのアドバイスを行なったり、取締役会にオブザーバーとして出席したりします。上場準備がスタートする最初のうちは「毎月出席してほしい」と依頼され、アドバイスを求められることもあります。こうして上場前から、上場後の成長を一緒に実現していく信頼関係を築くこともできます。その選択肢のひとつであるM&Aコンサルティングとのシナジーも生まれるかもしれません。TPM上場支援とM&Aという親和性高いサービスを手がける当社だからこそ、上場から「スター企業」に向けた成長戦略をワンストップで担うことができるのです。